【書評】人生をマイナスからプラスへ変える「人生がうまくいく人の感情リセット術」 樺沢紫苑
こんにちは
今回紹介する1冊は
「人生がうまくいく人の感情リセット術」 樺沢紫苑
です。
本記事は「人生がうまくいく人の感情リセット術」の内容や読んで学べること、読んだ感想を紹介します。
「人生がうまくいく人の感情リセット術」の概要
本書は精神科医として活動しながら、様々なインターネット媒体使って精神医学、心理学、脳科学の知識を発信している著者が科学的な研究を裏付けにして感情のリセット術について解説しています。
悩みを取り除くには何を変える必要があるのか、「苦しい」と感じている人と「楽しい」と感じている人の違いは何なのか。
世の中の悩みの9割を解決するためのリセット術を身に着けることができる1冊となっています。
「人生がうまくいく人の感情リセット術」を読んで学べること
大きくまとめると以下の3つです。
1.「感情」は脳内物質で決まる
2.視野を広げ「楽しい」を発見する
3.「なんとかなる」と思うことでストレスは消える
1.「感情」は脳内物質で決まる
「苦しい」と「楽しい」の正反対の2つの感情は”心”の変化によるものでしょうか?
本書ではこの2つの感情は”心”の変化によるものではなく、脳内物質やホルモンの増減であると解明されていると書かれています。
「苦しい」や「楽しい」といった感情は、脳内物質、ホルモンの変化にすぎないのです。
「苦しい」状態の時には3大ストレスホルモンである、ノルアドレナリン・アドレナリン・コーチゾールが分泌され、心や身体に悪影響を与えます。
アドレナリンはよく聞きますが、ストレスホルモンの一種だったんですね。
対する「楽しい」状態のときには幸福物質と呼ばれる”ドーパミン”・快楽物質である”エンドルフィン”・癒しの物質である”セロトニン”といった脳内物質が分泌されます。
つまり、感情をリセットするには「苦しい」脳内物質が分泌されている状態を「楽しい」脳内物質が分泌される状態へと切り替えることが必要なのです。
そんな簡単に変えられるのか疑問に思いますよね?
「苦しい」は「楽しい」に変えられるそうです。
「楽しい」は「苦しい」のあとにやってくるとのこと。
それは、「苦しい」のあとに「幸福物質」のドーパミンが分泌されるからだそうです。
極端な例でいえば、筋トレをすれば手軽に「苦しい」から「楽しい」に切り替えることができるということですね。
運動後に気持ちいいと思うのはこのように幸福物質がでてくるからなんですね。
この内容を読んで、辛い時に筋トレをするようにしています。
筋トレをやっている間はきつくてつらいことを忘れられるし、終わった後は気持ちよさがやってくるのでおすすめです。
2.視野を広げ「楽しい」を見つける
「苦しい」と感じる時は自分のことで精いっぱいになり、自然と視野が狭くなっているものです。
頭の中で「苦しい」ことしか考えられなくなり、それ以外のことに全く思考が向かなくなります。
苦しい時こそ周りのことに注意を向けてやる必要があるのです。
本書では「『鳥の目』で全体をながめてみる」と表現しています。
すなわち、物事の全体像をとらえられれば、今の苦しい状況以外の一面がみえてくるというもの。
苦しくて俯きがちになっている中ふと注意を外に向けてみると、苦しい側面しか見えていなかった物事のポジティブな一面が見えてくるものです。
一点から見るのと多方面からみるのでは見え方が全く違いますよね。
本書では一日の中の「楽しかった」ことを見つけることが紹介されています。
「苦しい」状況にあってもすべてが「苦しい」わけではなく、視野を広げることでほんの少しでも楽しかったなあと思える状況が見つかるのです。
映画を見に行くために外出する・友達とおしゃべりをする等々、日々の生活の「楽しさ」に気付けるかが大切だということですね。
3.「なんとかなる」と思うことでストレスは消える
まず、このことを語るうえで本書ではストレスの定義とは何かについて取り上げています。
◎ストレスに対して興奮した生理反応があり、それが第三者によって測定可能であること
◎ストレッサー(ストレスを与える刺激)要因は、嫌いなものであること
◎自分はストレッサーを制御できないと感じていること
この3つが本書ではあげられています。
中でも著者が重要だと思っているのが3つ目の定義だというのです。
「『自分で制御できるかどうか』が、ストレスかどうかの分かれ道になる」ということです。
そもそも自分で制御できたら苦しかったとしてもストレスにはなりませんよね。
ストレスはどうにもならないものなのです。
どうにもならないからストレスになるのなら、「なんとかなる」と思えばストレスではなくなります。
根性論みたいな言い方になっていますが、そうではありません。
解決の方法を学ぶことでストレスが激減するのです。
どうにもならない問題がコントロール可能の問題となり、解決方法を知ることで安心を得ることができ結果としてストレスの軽減につながります。
ストレスの原因や苦痛を取り除けなかったとしても、ただ対処法を知っているだけで、そのストレスを激減させることができるのです。
次の日発表しなければならないことがある。
そんなときにすることは発表の原稿に間違い・修正点はないかといった確認作業をおこなったり、原稿を何度も読み返したりすることです。
これだけでも不安を減らすことができますよね。
対処法の一つとして紹介したことが加わり、次の機会には以前感じていたようなストレスが減っているかもしれません。
経験によって対処法を知り、ストレスを減らすことができると言い換えられるかもしれませんね。
「人生がうまくいく人の感情リセット術」を読んだ感想
ストレスとの向き合い方と感情のリセット術を学ぶことができる1冊でしたね。
最初は今起こっている辛い状況に対する感情のリセット術について解説している印象でした。
中には過去の出来事など、考えても解決できないような問題もありますよね。
そのような問題のリセット法はないのかと思っておりましたが、本書の第5章で紹介されておりました。
本を読んで変わったことと言えば、日常生活の中にある「楽しい」を見つけようとするようになったことですね。
やはり、苦しい状況にしか目が行っておらず、隠れていた「楽しい」を見つけることができていませんでした。
これらを見つけるだけでも気持ちが楽になれるのでこれからも心掛けていきたいですね。
まとめ|「人生がうまくいく人の感情リセット術」
今回は本書の内容の中のうち、現在起こっている問題と向き合い、リセットする方法・考え方を主に紹介してみました。
ストレスと向き合うというきれいごとだけでなく、ストレスから「逃げる」ことも紹介されています。
本書では他にも
・仕事の人間関係のストレス
・自分のちからではどうにもならない状況を「相殺する」方法
・「感情のリセット力」を高める脳の習慣
などの方法も紹介されています。
ストレスを抱えていてどうにかなりそうと思っている方、今の精神状態を少しでも良くしたいと思っている方におすすめです。
ぜひ読んでみてストレスとの向き合い方や感情のリセット術を身に着けてみてくださいね。