【書評】心に残る1行をつくる 「伝わるのは1行。」 田口まこ
こんにちは 今回紹介する1冊は 「伝わるのは1行。」 田口まこ 本書は30年以 …
こんにちは
今回紹介する1冊は
「お金は寝かせて増やしなさい」 水瀬ケンイチ
本書はインデックス投資を15年間実践してきた個人投資家である著者が、インデックス投資について個人投資家目線で経験を交えながら解説しています。
インデックス投資の実践法に加えて、NISAやiDeCoのことも紹介されているので、投資について興味のある方・投資を始めたいけど不安に思っている方におすすめできる本です。
この記事では本書を読んで特に参考になった点を3つ紹介します。
まず、インデックスファンドと聞いて何それと思ったことでしょう。
インデックスファンドの前に投資信託についての説明が必要なので触れていきます。
本書では以下のように説明されています。
投資信託とは、私たち投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。
次に本書の目玉であるインデックスファンドについて、
インデックスファンドとは、各種指数(インデックス)に連動する運用成果を目指す投資信託です。
ここまで聞いて指数に連動する運用成果を目指すのなら、指数を上回る運用成果を目指せばいいのではないかと思いました。
実際に指数を上回る運用成果を目指すファンドとしてアクティブファンドがあります。
投資信託は大きくインデックスファンドとアクティブファンドの2種類に分けられるんですね。
話に戻ると、現実にはアクティブファンドの多くがインデックスファンドには勝てないという結果が出ているのです。
アクティブファンドはインデックスファンドよりも手数料が多くかかるというのが一番の理由です。
なんと約8.5倍もの手数料がかかるのだそう。
8.5倍分インデックスファンドよりも利益が出るのなら別にこれでも問題ないのではと思うのですが、毎回大きくリターンが出るわけでもないので手数料の少ないインデックスファンドの方がお得に感じます。
インデックスファンドについてざっと説明してきました。
次にどんな買い方をすればよいのか?
最近”積み立てNISA”、”iDeCo”など耳にする機会が増えてきたので知っているという方もいるかもしれません。
毎月一定金額で同じ投信を積み立てて購入する「積み立て投資」が基本です。
私は投資について詳しくなかったときは「どうして積み立てるのだろう」とか、「一度にドカッと買うのは駄目なのか」とか思ったときがありました。
本書では以下のように説明しています。
毎月購入するので、購入価格が平準化され、市場が最高値のときにまとめて投資してしまうことや、最安値のときに買い損ねてしまうことを避けることができます。
つまり、最悪の事態を避けることができるということですね。
言い換えると平均的になるので大きいリターンは得られないということにもなります。
楽天証券やSBI証券などの証券会社には毎月自動積立できるサービスもあるので、それを利用すれば市場を気にしてヒヤヒヤする必要もなさそうです。
積み立て投資は自動的に積み立て購入してそのお金をひたすら寝かせておくだけなので楽ちんです。
リスク許容度とは何か?
本書では以下のように説明されています。
リスク許容度とは、投資家の許容できるリスクの範囲のことで、資産運用で発生する損失を1年間でどの程度受け入れられるかの度合いをいいます。
要するに「最悪の事態を想定する」ということですね。
自分で決めた想定内の範囲であれば、最悪なくなっても許容することができますよね。
もちろん、多少は損失が出ても投資にお金をバンバン使うタイプの人とか、1円も損失を出したくないタイプの人など人によって投資に対する価値観は異なります。
しかし、自分のリスク許容度を知っていれば、投資にお金をまわしすぎることもなくなるし、逆に投資にまわさないということもなくなります。
生活防衛資金を確保しやすくなるのが個人的には一番大切なのではと思いました。
では、リスク許容度はどうやって知ることができるの?と疑問に思った方もいると思います。
先ほども少しだけ触れましたが、リスク許容度は最終的には自分で決めるものです。
自分で決めるって言ってもどのような基準で決めればいいの?ってなりますよね。
本書では自分のリスク許容度を知る方法が紹介されています。
今回は詳しいことは書かずにさらっと紹介します。
1.年間の貯蓄可能金額の範囲内で考える
2.公的年金を運用するGPIFが負っているリスクの範囲内で考える
具体的には年間±25%程度の損失を覚悟する。
3.夜ぐっすり眠れるかどうか
夜に眠れなかったらその金額は自分のリスク許容度の範囲外ということですね。
人の性格にはよると思うのですが、実践しやすそうです。
インデックスファンドを買っても続けることが難しいとは言っているけどなんで?と思ってしまいました。
よく考えてみると答えはシンプルです。
お金の増減を気にしながら”じっと待つ”ことが投資を続けることの困難さにつながるということです。
毎日自分のお金が増えたり減ったりしているんだから気が気でないですよね。
コロナ禍など外的要因があれば、このまま値下がりする前に売ってしまおうとなってしまいます。
つまり、損失に一喜一憂してしまい、手放してしまうのです。
本書ではこのように損失に一喜一憂してしまうのは、”インデックス投資の本質部分が腹に落ちていない”からだと説明しています。
インデックス投資の本質部分とは何か?
ここではさらっと紹介しますが、「資本主義経済の仕組みについて」や「複利」などのことです。
複利についてはアインシュタインが「人類最大の数学的発明」と言うくらいすごいものです。
少なくともこれらを知ることができれば、インデックス投資の継続がしやすくなってくるのではないでしょうか。
つみたてNISAやiDeCoを活用するとなると20年とかそれ以上保有し続けることになるのでこれらの知識を身に着けておくべきだと思いました。
まとめ
・インデックスファンドは投資信託の1種で、積み立て投資が基本
・リスク許容度を知ることで最悪の事態を想定する
・長期投資を続けるために損失に一喜一憂しない。そのためにもインデックス投資の本質を知る必要がある。
私自身損失に一喜一憂していたのは、長期投資の本質を知らなかったからだと納得しました。
夜に眠れるか眠れないか、ぐっすり眠るためにすぐにでも自分のリスク許容度を見直す必要がありそうですね…
本書には今回紹介しなかったもの以外にも
・投資信託のメリット・デメリット
・資産配分(アセットアロケーション)について
・おすすめの金融機関や口座開設の手順
・著者の15年間のインデックス投資の経験談
といった内容が紹介されています。
投資初心者向けに書かれているので、ある程度投資を勉強した方なら知っていることも多い印象です。
しかし、個人投資家である著者の目線で解説しているので、プロ目線では教えてくれないことが紹介されていて新鮮味があります。
もちろん、これから投資を始めようとしている投資初心者の方にも分かりやすく解説されているのでおすすめです。
投資に関することが知りたいという方は、是非読んでみてはいかがでしょうか。