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転職

なぜ公務員は「安定」しているのに辞めたくなるのか?心理を分析する

はじめに

こんにちは。てくぞうです。

「公務員って安定してるのに、なんで辞めたいの?」
これは、実際に公務員を辞めた私が何度も聞かれた質問です。

確かに、公務員には安定した給与・福利厚生・身分保障があります。
それでも、「辞めたい」と思う人が後を絶たないのが現実です。

この記事では、地方公務員として働いた経験をもとに、「なぜ安定しているのに辞めたくなるのか」を、心理的な側面から分析してみます。

 

1. 「安定=成長の実感が薄い」と感じる

日々の仕事がルーチン化しやすい

部署にもよりますが、

  • 書類処理
  • 会議出席
  • 定型業務の繰り返し

といった業務に追われる日々が続き、「新しいスキルが身についていないのでは…?」という不安に駆られます。

 

数年単位での異動が成長を断ち切ることも

やっと業務に慣れてきた頃に、全く違う部署へ異動。
新しい仕事に対応しながらも、「何を積み上げているのか分からない」と感じることも多くありました。

 

結果:「このままでは市場価値が上がらないのでは」と感じる

「将来、他で通用する力がつくのか?」という疑問が、安定の裏にある大きな不安の一つです。

 

2. 「やりがい=感謝」では限界があると気づく

住民対応=人の役に立つ仕事。だけど…

もちろん、人から「ありがとう」と言われる瞬間はやりがいになります。

でも一方で、以下のような側面もありました。

  • クレーム対応や理不尽な怒りにさらされる
  • 一部の人のために時間を割かれ、本質的な業務が後回し
  • 感情労働に近く、心がすり減っていく

感謝される以上に疲弊する場面が多かったのが本音です。

 

「この仕事、本当に自分がやるべきなのか」と感じる瞬間も

業務の一部が慣習的・形式的で、目的や意味が見えにくくなることもあります。

その結果、「自分でなくてもいい仕事ばかりなのでは?」という感覚が生まれやすくなります。

 

3. 「変化を求める気持ち」が封じられている感覚

組織が大きく、意思決定がとにかく遅い

  • 何かを変えようとすると多数の承認が必要
  • 担当者レベルでは裁量が少ない
  • 「前例がない」が最大の障壁になることも

という環境にいると、「挑戦」や「改善」の意欲が薄れていきます。

 

若手でもベテランでも“与えられた仕事を淡々とこなす”文化

新しいことにチャレンジしたい人ほど、物足りなさや閉塞感を覚えるかもしれません。

 

4. 「人間関係・風通しの良さ」は部署次第で大きく変わる

異動ガチャの影響は想像以上

  • 人間関係が良好な部署
  • 上下関係が強く、発言しにくい部署
  • 休日対応や突発業務が多く、私生活が犠牲になる部署

など、働く環境は「運」に左右される部分もあります。
もちろん、こちらは転職しても直面する問題でもあります。

 

我慢強い人ほど、心身を壊しやすい

「公務員なんだから辞めるなんてもったいない」
「もう少し頑張れば変わるかも」
と我慢し続けることで、気づいたときには限界を超えているケースも珍しくありません。

 

5. 「やめたい=ワガママ」ではない

辞めたいと思う気持ちは、決して甘えではありません。

  • 成長したい
  • 新しいことに挑戦したい
  • 自分の人生を自分で選びたい

そんな前向きな意志からくる“違和感”が、辞めたいという感情の正体かもしれません。

 

まとめ

「安定しているのになぜ辞めたいのか?」
この疑問の裏には、次のような心理が隠れています。

  • 成長できていない不安
  • やりがいと疲労のバランス崩壊
  • 閉塞感・挑戦の制限
  • 環境依存の働きやすさ
  • 自分の人生を自分で動かしたいという願い

公務員という道を否定するわけではありません。
ただ、「辞めたい」と感じることには理由があり、それは誰にでも起こり得る感情だということです。

あなたのその気持ちを、どうか大切にしてください。
そして、必要であれば新しい一歩を踏み出す準備をしてもいいのです。